移行前『無職ソラリスの日常』

宇宙一のダメ人間を見て安心してもらうための日記。

【コラム】「ブルー・ピリオド」から紐解く夢を追うためにできること

作品の感想って需要なさそうですよね。ただ、ここは私が書きたいものを書いて、見たい人が見る場だと思います。

こんなわがままな書き手で良いのだろうかと思うのですが、スキの数よりもアクセス数が増えたほうがきっと嬉しいことだと思います。

 

「ブルー・ピリオド」の感想と夢を追う人に必要なもの

 

 

最新刊まで読みました。既刊7巻です。以下あらすじです。

成績優秀かつスクールカースト上位の充実した毎日を送りつつ、どこか空虚な焦燥感を感じて生きる高校生・矢口八虎(やぐち やとら)は、ある日、一枚の絵に心奪われる。その衝撃は八虎を駆り立て、美しくも厳しい美術の世界へ身を投じていく。美術のノウハウうんちく満載、美大を目指して青春を燃やすスポ根受験物語、八虎と仲間たちは「好きなこと」を支えに未来を目指す!

 

主人公の八虎は頭もよいし人付き合いもちゃんとしていて、若干不良っぽい見た目をしていたも中身は優等生の将来有望タイプ。

普通に良い大学入って就活すればそこそこ気に入られるでしょうし、空気も読めるから誰に対しても溶け込めて、コミュ障陰キャからすると近寄りがたいくらいの人生出来レース陽キャです。

 

そんな八虎がたまたま先輩の絵に出会って、それから絵を描くようになって、ある意味すべてを捨てて絵にだけ打ち込むようになるという、何とも現役学生が見たら引きずり込まれそうな漫画です。

 

これを読んで全く勉強しなくなり

漫画家になる!!画家になる!!藝大行く!!!

なんて言って親を困らせる学生が続出しそうで個人的に余り学生には勧めずらい作品だなと思います……

 

まず八虎が恐らく絵に出会わなければ普通に会社員やってそこそこの収入がもらえて幸せな家庭を作るなんていう未来があったかもしれない人なので、それを捨てて絵の道を選ぶことはカッコいいと同時に危ういことだと思うんです。

 

漫画の中で語られる東京藝術大学の倍率の話なんかも、やばすぎて頭に入らないというか理解できないですし……学費も、他の美大はかなり高いのですが他と比べて安いんですよね。

※大学の学費は、医学→薬学→歯学→芸術の順に高いらしいです。1巻のはじめでは、八虎は「美大なんて将来性がないのに~」といったことを、はっきり言ってますw

 

特に絵画科は日本一受験倍率が高い学科で、

平成28年度の油画専攻の倍率は募集定員55人に対して1058人、応募の約20倍。しかも現役生はそのうち16人。
つまり高校生が受かる倍率は実質60倍ですね

1巻で美術部の先生が語っていた一部ですが、現役で受かることのほうが珍しい世界ってすごいですよね。他のどの大学の学科よりも倍率が高いだけあるのですが、八虎が目指すのがこの学科という。

何ともマンガらしい展開になってきたなと思いましたね。

 

しかも、現役生で16人受かるのは多いほうで、毎年大体なんと5人ほど。

二浪四浪当たり前、十浪の猛者もいる世界。そんな漫画みたいな世界に、普通に受験すれば早慶行けるような学生が、高2にで目指すという。

 

そんな漫画みたいな世界があるということを、私は高校時代全く知りませんでした。ただ、周りの部活仲間が勉強サボったりなんだりしている横で、当たり前のように毎日勉強をすることがある意味で生きがいだった人間なので、この時こういう漫画に出会っていたら確実に美術部に入っていたような気がします(笑)

あの頃絵は下手だと思い込んでいて、小学生時代からうまい人と比べて絵を並べられるのが恥ずかしくて仕方がありませんでした。

 

私にとって絵は才能ありきのもので、凡人はどれだけあがいても凡人だと思い込んでいたのですが、この作中でも

「才能があるという褒められ方はうれしくない、勉強もしてるし努力もしてる」

といったセリフがあり、その通りだなと思いました。

 

私はめちゃくちゃ下手で「見ながら」でも描くことができなかったのですが、最近はようやく好きなキャラに似せて描くレベルまではいけましたし、見ないで顔だけなら描けるかな?レベルです(昔と比べたら奇跡なんですよ…w)

 

絵は才能と言いますが、この主人公の八虎みたいに、下手ならとにかく描く、デッサンする、というのが大事だと思います。あくまで絵の場合ですが、絵ってどれだけ見て描けるか?描き込めるか?で、上手くなるかどうかが変わると思います※八虎は見て細部まで描く集中力が元からある感じでした。手を抜かない、根が真面目なキャラかと。

 

私は、内定出た後から描き始めた程度なので、初めはトレースして、そのあと模写して……という感じで、未だに模写はできても自分の絵は描けません。絵柄によっては模写すらできないですし。

 

話が逸れましたが、枚数とか時間ではなくて、密度が大事かなと思います。あと集中力。八虎はもともと勉強も頑張っているので、集中力がかなりあるはずなんですよね。

それをすべて絵にぶつける姿が眩しいです

 

つまりは、夢を追うことも同じこと。

音楽でもイラストでも漫画でも小説でもなんでも、とにかくそれにかける密度と集中力が大事ではないかと思います。

 

絵なんて不確かなもの、八虎も苦しんでいましたが、正解のない世界って本当に苦しいだろうなと思います。画家になっても、きっと周りと比べたり批判されたりして落ち込む世界でしょうし。

 

夢を追う姿は眩しいけれど、それを追いたいなら、八虎みたいに期限を決めて密度を濃くすることが重要ではないかと思います。

※八虎の場合は大受験に向けて、短期間で密度も量も質も高い努力をしていました。

 

私は絵を練習してましたがダラダラ描いていた自覚はありますし、描かない日もありました。ただ、たとえ1年でも2年でも密度の濃い練習をしている人としていない人では大分差が出ると思います。

 

夢を追う人だけが偉いっていうわけでもなくて、期限を決めて頑張れる人は凄いと思います。私自身も、資格勉強やこのnoteを書くことなど、一応頑張ってはいるので、そういう自分を認めてあげても良いかなと思います。

 

……余談ですが、このマンガの凄いところは他にもあります。

何がすごいって、美大生やプロの画家などの作品の協力もあって完成されている漫画なんですよね。

だからリアリティーがあって、全部自分で描くわけじゃない狡さとかも若干あるかもしれませんが、実際の、リアルにある藝大受を描くのは関係各者を回る必要がありますし、リアリティーを出すのもめちゃくちゃ大変だと思うんですよね。

 

私も、今後もリアリティーのある記事や小説を書くために、ちゃんと自分で調べたり見たり聞いたりした情報を活かしたものを書きたいなと思います。

※就活終わって仕事が落ち着いたら小説の公募参加もしたいです。

 

では、ありがとうございました!

 

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